
| ●ムラサキツバメ集団越冬の謎? |
|||
| ムラサキツバメは晩秋になると10〜20頭の密集した集団になり、厳冬期を成虫で越します。蝶でこのような習性は珍しく、なぜ? と思っていました。 仮説はいろいろありますが、私は擬態説が有力ではないかと思うようになりました。確固たる根拠はありません。ムラサキツバメは密集集団となることで得体の知れない大きい物体に変身、小鳥が見つけても食べられないものと誤認するのではないか。 では、なぜ小鳥にも見つかりやすい常緑樹の葉上で休眠・越冬すのるかを考えました。 ムラサキツバメの仲間は東洋区の亜熱帯、熱帯の常緑の森を中心に200種ほどいるようです。このような森では生物の生態系は基本的には樹上エリアと地上エリアに別れます。当然ムラサキツバメの仲間は樹上エリアのグループに入ります。ムラサキツバメの先祖は分布域を北に広げ、ついに冬になると樹上、地上エリアの両方の生態系が重なる温帯域・常緑、落葉混交林に到達、それでも故郷から受け継いだ樹上生活を捨てられなかったのでは。しかし、気温が下がると動けなくなるので敵から逃げられない。そこで擬態して、危険回避ができるように適応・進化したのでは?…。 ※多摩市など関東地方はムラサキツバメの分布北限です。集団越冬の生存率は高くはありません。しかし、6月に新鮮な第1化が見られることから、すべてが死滅することはないようです。12月頃、時々単独で越冬する個体を見かけますが、いずれもボロボロで、その為に集団から脱落したと思っていました。しかし、そうではなく、単独なので襲われたのかも?
|
|||
| ●モグラ発見! 種類は? |
|||
| 浅川、多摩川合流点の川辺林でモグラの死体と出会いました。モグラの仲間のフィールドでの重要な識別ポイントは前脚の手の大きさと形です。一見して手がグローブ状で大きいのがモグラなどトンネルを掘る仲間で、トガリネズミやヒミズの仲間は半トンネル生活でさほど大きくはありません。尾の長さも重要で、モグラの仲間は申し訳程度と短い。この個体は以上の条件からモグラの仲間で、見つけた場所が関東の平地であることからアズマモグラと思われます。個体そのものを厳密に調べるには、門歯(上の前歯6本)がきれいな円弧状に並んでいれば関西に多いコウベモグラ、並び方がX字状ならばアズマモグラです。 ※分布域などを調べると、かつては本州、四国、九州の平地には日本固有種アズマモグラがいて、その後、九州付近からコウベモグラが侵入、現在は能登半島と富士山を結ぶラインより西にコウベモグラ、東がアズマモグラとなったようです。しかし、紀伊半島東南部や中国地方、四国のごく限られた場所にアズマモグラが残存しています。(参考資料・日本のモグラ目の検索表 阿部 永)
|
|||
| ●1月中下旬、多摩川・大栗川合流点の鳥 |
|||||||
| 多摩川中流域では昨年来の異常汚濁に続く減水のせいかコサギがまったく見られない時期がありました。しかし、ここに来て少しずつ回復して、大栗川合流点ではこれを狙うオオタカも観察できるようになり、ここ数日は鳴き交わしも聞こえます。毎年、1月には戻ってくるミコアイサも1羽ですが姿を見せています。1月24日には大栗川合流点より少し下流にカワアイサの小群も発見、この地では少ない種類です。上空には時折ハヤブサが飛び、ヒメアマツバメの群れも見かけます。河原周辺はツグミ、ジョウビタキなどの常連の冬鳥が激減、この状況は多摩川だけではなく、今年は関東各地でも同じような傾向のようです。 【アクセス・京王線・聖蹟桜ヶ丘駅下車(新宿駅から特急で24分ぐらい)、多摩川まで徒歩数分、下流に向かうと大栗川合流点、上流に向かうと浅川合流点】 ※ハヤブサは浅川合流点付近に現れるのは成鳥、大栗川合流点付近は幼鳥が多い。この時期、おそらく幼鳥は成鳥の縄張りから追い出されているのだろう。成鳥、幼鳥は腹の縞模様で区別できる。成鳥の♂♀の区別は、♀は2羽いれば大きい方、細かくは前頸から上胸にかけてのわずかな縦斑が認められ、腹の横斑も明瞭。しかし、単独で飛翔中は大きさや、斑紋の差を確認することは極めて困難。写真に撮っても判断がつかないことも多い。
|
|||||||
| ●冬に降りてくる高山の小鳥を探す |
|||
| 盛夏、イワヒバリやカヤクグリは森林限界を超えるハイマツ帯以上の高山の稜線で見られる代表的な小鳥です。両種とも冬になると雪の少ない山麓や山地に移動しますが、この時期はなかなか見つかりません。特にイワヒバリは冬は南方に飛び去る夏鳥なのか、山を下る漂鳥なのかが分かりませんでした。諸説ありますが、現在はおおむね漂鳥となっています。私も夏に奥穂高稜線で足環のある個体を発見して撮影、後日調べたら冬に富士山の山麓付近でつけられたものでした。移動距離は繁殖地の山域にとどまらず、かなり長いと思われ、一部は海を越えているのかも知れません。 東京都の場合、この時期になると奥多摩で両種が見られます。日原付近ではカヤクグリは民家近くの畑地周辺、イワヒバリは渓流沿いの滝が連続するような岩場の斜面がポイントとなります。 ※参照 「日本の野鳥・生きもの出会い図鑑」(学研教育出版)58ページなど 。本書ではイワヒバリは冬の生息はデータ不足で記載できず、地図では夏のみとなっています。
|
|||
| ●シモバシラの氷花を探す |
|||||
| 1月1日、高尾山・薬王院での初詣を兼ねて、裏高尾方面から高尾山に登りました。昨年秋に出没していたクマタカはやはり定着せず、12月29日の調査、今日も姿を見せませんでした。日影沢から途中で分かれて、モミジ台の稜線直下の北の縦走路まで登りました。出会い付近の道沿いにシソ科の植物シモバシラの氷花が見えます。常連の方の話では、年末は一度温度が上がり氷が解けてしまったそうで、さほど大きなものはありませんがきれいです。 この氷花はシモバシラの地下の根から地上の枯れた茎に水分が上昇するために、茎を割ってカーテン状の氷ができるもので、氷が解けなければ日々大きくなります。シモバシラは主に暖地の低山地に見られ、北限は関東地方、高尾山付近では珍しい植物で、点々と見つかりますが、ある程度かたまっているのはこの付近だけです。丹沢ではまず見かけないし、雪が積もる秩父、奥多摩にはありません。 氷花観察は1月いっぱいがベストと思います。 【シモバシラ自生地までは、一般には高尾山頂からモミジ台方面に下る。最初の鞍部で一番右の北側縦走路を歩くとまもなく道沿いに氷花が見られる】
|
|||||
| ●都心のオシドリ |
|||
| 都心にはオシドリが越冬する寺社林、公園がいくつかあります。なかでも新宿に近い明治神宮の上池は有名で、多くの野鳥ファンが訪れます。オシドリはカモの仲間でも警戒心が強い種類ですが、この池では人に対してはフレンドリーで、近くにも泳いで来ます。しかし、この森にはオオタカも営巣しており、上空から見えるような明るい場所では休みません。それでも、長時間観察すると、確実に木陰から出てきます。同じ場所にカルガモ、マガモ、コガモなどもいて、森の周辺ではクロジなど珍しい小鳥との出会いも期待できます。神社の初詣の後でも覗いて見てはいかがでしょう。正月の混雑する時期でも上池周辺は比較的静かです。また、近くの新宿御苑(入園料200円、月曜休み、正月は1月3日まで休み)の玉藻池でもオシドリが見られ、園内ではいろいろな品種のスイセンも咲いています。 ※新宿駅近くのJR代々木駅からだと、明治神宮・宝物殿方面に。徒歩約10分で上池に。 ※参照 「日本の野鳥・生きもの出会い図鑑」(学研教育出版)120ページなど 。
|
|||
| ●変なカルガモが? |
|||||
| 12月10日、浅川、多摩川合流点の土手近くの湧き水池に立ち寄りました。かなり有名な池で、カワセミなどを撮影する方が絶えません。そのためか、以前いたイタチはほとんど出てこなくなりましたが、ベニマシコなどのポイントでもあります。この場所にはカルガモも飛来、今日いる個体のなかに変なのが?。よく見ると、くちばしは先端が黄色くカルガモですが、顔、胸、腹などが違います。おそらくカルガモとマガモの雑種(通称マルガモ)と思われます。カモの仲間ではこのような例は時々あり、特に日本で繁殖するカルガモ関連が多いように思います。普段見過ごされるカルガモですが、注意して探すと面白いと思います。 ※参照 「日本の野鳥・生きもの出会い図鑑」(学研教育出版)22ページなど
|
|||||
| ●初冬の狭山丘陵を歩く |
|||||
| 12月4日、狭山丘陵をフィールドとされているNさんに見所を案内していただきました。基本的な植生は多摩丘陵に似ていますが、シラカシ、アカガシなどの常緑のカシは多くはなく、コナラなどの落葉広葉樹が続きます。この日は雲ひとつない晴天で、林の中には冬に羽化するフユエダシャクの仲間が多数舞っていました。大きなエノキの木の下にはオオムラサキの幼虫もいました。多摩丘陵では北部の限られた樹でないと見つかりません。最近は同じエノキを食べる外来種アカボシゴマダラの幼虫も見つかるようです。と、落葉の上に少し小さいナナフシを発見! 翅があるのでトビナナフシ仲間です。穏やかな日で楽しい観察会となりました。 ※狭山丘陵も今年は冬鳥の飛来がいびつで、この時期なら出会うジョウビタキは姿を見せませんでした。狭山湖の水鳥もほとんど飛来していません。
|
|||||